史上最強の【ピュアドライブ】登場。「喰い付く」「ググッと落ちる」!

そうだよ! これが【ピュアドライブ】!エレクトリックブルーが目に鮮やか

ピュアドライブ 2018年モデル

ついに、ピュアドライバー待望の最新【ピュアドライブ】が発売されました。なんと驚くほどの青さ。
鮮烈なブルーは「エレクトリックブルー」と名付けられ、過去の長いラケット史にも、まったく存在しなかったコスメティックカラーで、【ピュアドライブ】=青という「定理」を突き付けられたような威圧感に満たされます。

「青」というコスメティックカラーは、テニスラケット業界では「売れない」というジンクスで覆われていました。
それをひっくり返してしまったのが【ピュアドライブ】ですが、まさかここまで真っ青にしてしまうとは、驚きでした。でも下品なドギツさはまるでなく、鮮烈だけど優しさもある、なんとも絶妙な色の選択であるような気がします。
コスメティックの表面処理は「マット(ツヤ消し)」ですが、微妙にパールを吹いてあるので、上品でしっとりとした輝きがあるのです。

アクセントは、ホワイト&ブラックで、2色がダブルラインの左右に振り分けられ、片側がブラックで、逆側がホワイトの非対称です。そしてシャフトには、斜めに「DRIVE」の文字が大胆にあしらわれていて、それもまたダブルラインのカラーとカップリングさせてあります。

個人的な感想ですが、この色は「気持ちいい蒼空」を感じさせます。プレーヤーを明るい気分にしてくれるコスメティックデザインは、メンタルに好影響を与えてくれる「機能」と言えるでしょう。
使っていて楽しい気分にさせてくれる新【ピュアドライブ】は、唯一無二のテニスラケットと言えるのではないでしょうか。

良いものはどんどん採用する
前向きバボラが選んだ「アエロ化」

ピュアドライブ 2018年モデル

バボラ【ピュアドライブ】の進化のしかたは、時代のスタイルに合わせ、目には見えない部分で……しかしながら感覚的には明らかに感じられる強さで進んできました。
コスメティックは、毎回、大胆にチェンジしていきますが、形状的には「んっ? どこが変わったの?」というレベルで、そう簡単には見つけられないのですが、今回ははっきりと確認できることがたくさんあります。

その一番が「フェイス部の外周が平滑化した」、つまり【ピュアアエロ】に採用されている、空気抵抗を極限まで減らすためのアエロテクノロジーを搭載したことです。
従来モデルは、外周フレームには凹みがあり、その凹みにグロメットスリーブが通りますが、グロメットスリーブはウーファー搭載を感じさせる凸凹したものでした。

ところが新作【ピュアドライブ】は、どこから見てもツルンとしているのです。ウーファー特有の凸凹形状はグロメットの内部に格納され、表面を平滑化したグロメットが、フレームの凹みを隙間なく埋め尽くすことで、フレーム外周がきれいにツルンとするわけです。

これによってスイング時の空気抵抗が減ります。「そんなわずかな空気抵抗の差なんか、まるで感じないよ」とおっしゃる方もいらっしゃいましょうが、じつはそうバカにできないものなのです。空気抵抗減少は、スイングを高速化するという効果はもちろん、パワーセーブとしても機能するのです。

【バボラプレイ】によって判明したことですが、一般的オールラウンドプレーヤーでは、1試合に400〜600スイングするようです。1スイングでは、わずかな差でしかないでしょうが、従来よりも軽快に振れてしまうため、それだけ少ないパワーでスイングすることができるわけです。
もしも3セットマッチになれば、ファイナルセットにはきっと「その違い」が現われてくることでしょう。

【ピュアアエロ】で効果を確認できた機能は、積極的に【ピュアドライブ】にも採り入れていく。元々、【ピュアドライブ】をアエロスタイル化したのが、今日の【ピュアアエロ】であり、そちらで効果があると評価されたものをもう一方に搭載するというのは、当然のことかもしれません。
言うなれば、【ピュアドライブ】と【ピュアアエロ】は、互いに絡み合いながら進化を競い・共有してゆく「バボラの双頭の鷲」のようなものではないでしょうか。

振動減衰・衝撃緩和が劇的に進化。
シャフト素材に染み込んで機能する

コアテックスシステム

そしてもう一つ、目で確認できることが「コアテックスが見当たらない」ことです。2006年モデルで初めて搭載された『コアテックスシステム』は、シャフトの外周から機能して、打感の邪魔になる振動を除去するタイプでしたが、2012年モデルでは、打球の高速化に伴う衝撃の増大に対処するため、シャフトとグリップの間に設置されました。

そして今回の2018年モデルは、その機能を、フレームを構築するカーボン積層の内部に組み込んでしまったのです。自動車や航空宇宙産業において、目に見えない地味な分野でありながら、きわめて重要なシステムである振動対策テクノロジーであり、それを世界的にリードする【SMAC社】と協力して、同社の新素材をシャフト部のカーボン積層に組み込んだのです。

この新システムのおかげで、打球フィーリングには雑味がなく、ぐっとマイルドで、腕に優しくなりました。振動&衝撃を、「外から制御する」「途中でカットする」のではなく、「伝わってこないシャフトにする」という考え方に至ったのです。

みなさん、どうですか!「2006→2012→2018」という進化は、まるで外から内部へコアテックスが染み込んでいくような印象に映りませんか!

「FSIテクノロジー」を拡大摘要!
フェイスの先でも中央でも「喰い付く」

FSIテクノロジー

そして今回の【ピュアドライブ】を見て、「あっ!」と気付いた方がいたら、かなり見る目のある方です。ストリングパターンが変わりました。
前作で「先で打つ傾向に対応して、スウィートスポットを3.5cm、面の上方へ引き上げる」変更を行ないましたが、その機能を残しつつ、下方へもスウィートエリアを拡大するストリングパターンへの変更に踏み切ったのです。

【ピュアドライブ】を使うプレーヤーは、膨大であり、さまざまなスタイルが存在するわけです。たしかにトッププロや若きエキスパートたちは、どんどんフェイス先端の高速加速を活かした打法へとシフトしていますが、すべてのプレーヤーがそうであるわけではなく、エキスパートたちの中にも「センターで打つ」プレーヤーがたくさんいるのです。

そうしたプレーヤーにも十分なパワーを提供するため、高圧縮→高復元によるパワーを高効率で打球へ還元する「FSIテクノロジー」をベースに、ストリングパターン変更によるスウィートエリア拡大や、グロメットスリーブを埋め込んでアエロ化したこと、そしてフェイスの内側に突起したグロメット筒の内側形状を6角形にしてストリングの可動域を微調整する「ダイアモンドグロメットウーファー」などの、ストリング周りの複合的改革によって、【ピュアドライブ】は、より洗練されて生まれ変わったのです。バボラはこれを『FSI POWER』と呼んでいます。

日本でも、トッププロのフィーリングテストや、発売直前に行われたイベント『BABOLAT BLUE NIGHT』で、多くの方の打球インプレッションをヒアリングしました。その中で多くの方が口にしたのが「マイルドになった」「ボールの喰い付き感が増した」「ストリング面から飛び出すときの加速感がスゴい」ということです。
じつは、この3つのコメントは、インパクトにおける一連の事実の組み合わせなのです。

新しいコアテックスシステムが、不快な振動と衝撃感を抑え、FSI POWER がボールとの接触時間を延長させ、さらには高速で打ち出すわけです。それによって打球へのスピン供与が効果的に行なわれ「伸びやかに高速で飛んでいくのに、相手ベースラインの手前でググッと落ちる!」というコメントが生まれるのです。

2018モデルは、19年の【ピュアドライブ】史上、最強にして、最快(快適×快感)と言っていいでしょう。えっ? 「そんなことはない」って……?試してみてから言ってください!

※ピュアドライブ 2018年モデル

従来はシャフトの外側に配置されていた『コアテックス』を、シャフトとグリップの間に介在させた7代目。ブラックの印象が強く、ヒュアドライブ独特の青さを抑えたモデルで、打球感は非常に評判が良かった。高速インパクトに多くのプレーヤーがラケットの先端側で打つ傾向に対応し、スウィートエリアを約3.5cm上方へ移動して、その部分のストリングの目を細かくしながら、高圧縮・高復元素材グロメットを採用して反発パワーを高めるFSIテクノロジーを搭載した8代目。フレームサイドの白の印象が強く、歴代モデルでも印象的なコスメティックを纏うモデル

次号へ続く
babolat

Text by 松尾高司(KAI project)

まつお・たかし◎1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー