テニス経験のない親御さんがお子さんに選んであげるべき「初めてのテニス道具」って?

子供がテニスを始めたい!
何を買ってあげればいいの?

自分のお子さんから「テニスをやってみたい! テニス道具を買ってぇ」と言われたとき、どうしますか?
あなたがテニス経験者であれば、どんなものを買ってあげたらいいかご存知でしょう。
でも親御さんがまるでテニス経験がないという場合は、ちょっと戸惑ってしまいますよね。
ここでは「基本の基本の基本」として、テニスに必要な道具についてレクチャーしていくことにします。

最初に知っておいていただきたいことは、「子供の遊びなんだから、オモチャに毛が生えたくらいのラケットでいいだろ」なんて思わないでほしいということです。
たしかに、お子さんはすぐにテニスに飽きてしまうかもしれません。
親はいつも「長続きしない子だわ……」なんて言いがちですが、もしかしたらそれは親御さんのせいかもしれないのです。

原因は「道具」です。
粗悪な道具を与えられたために、そのスポーツの本当の楽しさを知る前にイヤになってしまうケースが非常に多いのです。

形はテニスラケットそのもので、専門店で展示されている3万円以上のラケットと見比べても、何ら見劣りしないように感じても、じつはラケットの形をしただけの「ラケットモドキ」のこともあるのです。
とくに激安スーパーなどで売られていたりする場合は、「激安なりの理由がある」とお考えください。

そういうものは、テニス道具ではありません。
「レジャー用品」なのです。
もしお子さんにやる気があると感じたならば、それなりの道具を使わせてあげてください。
粗悪なものを使わされたために、ケガをするなどということもあるんです。
お子さんのことを考えて、どうか気を付けてあげてください。

とりあえず必要なアイテムはこれ!
有り合わせではすまさないであげて

さて、具体的に必要なものを列記してみましょう。

  1. テニスラケット
  2. ストリング(+張り技術料)
  3. テニスシューズ
  4. テニス用ソックス
  5. テニスウェア(とまではいかなくても、運動に適した衣類)
  6. テニスボール
  7. テニス用バッグ(一般のバッグでもいいけれども、本気さが……)

まぁ、少なく見積もってもこれくらいは必要でしょう。
もちろん、なかには他のもので代用できるものもあります。
ソックス、ウェア、バッグ……などは、一般的なスポーティーなものでもいいかと思います。

しかし、ラケット、シューズ、もちろんボールも、ちゃんとしたものを選んであげてください。
ラケットは、張り上げ状態で吊るされているものではなく、テニスショップでジュニア用なり、エントリーモデルと謳っているものの中から選びましょう。

初級者用と上級者用は違う
エントリーモデルにはちゃんと意味がある

親御さんたちの中には「いずれウマくなるなら、最初から上級者用を買い与えたほうがいいんじゃない?」とおっしゃる方があります。
でもそれはちょっと違います。

同じ道具にしても、包丁などの調理器具は、安くて切れないものを使うよりも、よく切れる上等なものを使うほうが、料理の上達は早いですね。
切れない包丁では、調理のしやすさが違いますし、料理の仕上がりがまるで違います。

でもテニスの道具は、技術の熟練度と、プレーヤーの体力によって、適した道具ははっきりと違うのです。
上達すれば、プレースタイルや打球感の好みというものも出てきますから、それによっていろんな選択肢が生まれるでしょう。
でもテニス入門者には、できるだけプレーンでクセがなく、熟練していなくても、それなりにプレーを楽しめる道具がいいですし、エントリーモデルとして販売されるものは、そうしたセッティングとなっています。

たとえばバボラでは、ジュニア用モデルは、年齢や体格に応じて6モデルが揃っています。

また一般モデルのエントリータイプは3機種あります。
若年層や女性といった、どちらかというと非力な方には【ドライブG】という軽量モデルがありますし、多くの方にとって軽快で扱いやすいが、エントリークラスだけれど元気でパワーがあったり、体格の大きな方には【ピュア アエロ チーム】や【ピュアドライブ チーム】、またそれよりもちょっとだけ軽量で操作しやすい【ピュア アエロ ライト】【ピュアドライブ ライト】がラインナップされています。

とても安いからといって、けっして高品質だとは思えないほどの激安ラケットを買い与えたり、中身がどうなっているかわからない「中古ラケット」の上級モデルを使わせたりせずに、お子さんが楽しく・安全にプレーできるような道具を使わせてあげましょう。

重さやサイズはとても大切!
「大は小を兼ねる」はNG

よく聞くのが「子供はすぐに成長するから、大きめのものを買い与えるようにしている」という親御さんの言葉。
これはスポーツギアの分野では「御法度」です。
たとえばテニスシューズですが、現状ではサイズ20cmがジャストフィットなのに、わざと「1サイズ or 2サイズ大きいもの」を与える親御さんがいらっしゃいます。
これはとても危険なことなのです。
テニスというスポーツは、たとえ子供でもそれなりに激しい動きを強いられます。
そのときテニスシューズは、軽快に動くための道具でもありますが、子供の足を守る大切なプロエクターでもあるのです。

たとえば、自分の足よりも大きいシューズを履いたため、ストップするときにシューズの中で足が動いてしまう場合のことを考えましょう。
前に突っ込んで止まるとき、シューズの中で足が前へズレて、つま先がシューズの内側に突き当たります。
これはつま先の正常な発達を妨げるだけでなく、ツメ自体を傷めたり、足指が曲がってしまう傷害を引き起こしたりもします。
また、横へ踏み込んで止まるとき、足がシューズの中で横ズレしてしまい、捻挫の原因となることもあるのです。

こうしたことは基本的なテニス道具の話ではなく、シューズすべてについての選び方の問題ですが、テニスでは足に大きな負担がかかるため、かならず注意して選んであげてください。

ラケットでも重すぎるものを与えると、振り出しにくく、操作もしづらいために、うまくヒットできなくなって、「テニスなんか楽しくない!」と思ってしまうかもしれません。
親御さんには、小さなお子さんにとって適切な道具選びというものが、いかに大切かを、まず知っていただきたいと思います。

babolat

Text by 松尾高司(KAI project)

まつお・たかし◎1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー